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「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」が国会に提出されました

厚生労働省は、平成30年4月6日に「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」(働き方改革関連法案)を国会に提出しました。

 

この法律案は平成29年6月から行われてきた、働き方改革実行計画に基づく労働政策審議会との答申を踏まえ、労働8法を一括改正するものとなっています。

一括改正が目指される労働8法

①労働基準法 ②雇用対策法 ③労働安全衛生法 ④労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法) ⑤短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法) 

⑥労働契約法 ⑦労働時間等の設定の改善に関する特別措置法(労働者時間設定改善特措法) ⑧じん肺法

事業者様や従業員様、また産業保健を支える様々な立場の方にとって重要となる働き方改革関連法案について、どのような内容となっているのか、大きく3つに分けてポイントをご紹介いたします。

Ⅰ.働き方改革の総合的・継続的な推進

雇用対策法の改正

【法律名】

  • 「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に変更。
  • 【施行時期】公布日

【内容】

  • 働き方改革に係る基本的な考え方を明らかにし、「基本方針」(閣議決定)を定める。
  • 労働者の職務及び職務に必要な能力等の内容が明らかにされ、それに即した公正な評価や処遇その他の措置が効果的に実施されることで、職業の安定が図られるように配慮されるものとすることを加える。

【国が講ずべき施策】

  • 下記の内容を、現行の雇用関係の施策に加える。
  1. 労働時間の短縮、その他の労働条件の改善
  2. 雇用形態、就業形態の異なる労働者の間の均衡のとれた待遇の確保
  3. 多様な就業形態の普及
  4. 仕事と生活(育児、介護、治療)の両立

【事業主の責務】

  • 職業生活の充実に対応したものを加える。
  • 労働者が生活との調和を保ちつつ、意欲と能力に応じて就業できる環境の整備に努めなければならない。

Ⅱ.長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現

 ■時間外労働の上限規制の導入

【原則】

  • 月45時間、年360時間。

【臨時的な特別な事情がある場合】

  • 年720時間、休日労働を含み単月100時間未満・複数月平均80時間。

【適用猶予】

  • 自動車運転業務:改正法施行5年後に、時間外労働の上限規制を適用。
  • 建設事業:改正法施行5年後に、一般則を適用。
  • 医師:改正法施行5年後に、時間外労働の上限規制を適用。具体的な上限時間等は省令で定め、医療界の参加による検討の場において今後検討。
  • 鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業:改正法施行5年後に、一般則を適用。

【適用除外】

  • 研究開発業務:医師の面接指導・代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で適用除外。

【施行時期】大企業 平成31年4月1日/中小企業 平成32年4月1日

 ■中小企業における割増賃金の見直し

  • 月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止。

【施行時期】平成35年4月1日

 ■一定日数の年次有給休暇の確実な取得

  • 10日以上の年次有給休暇がある労働者について、5日の取得を企業に義務付け。

【施行時期】平成31年4月1日

 ■労働時間の状況の把握

  • 労働者の健康確保措置の実効性を確保するため、省令で定める方法により、労働時間の状況を把握。

【施行時期】平成31年4月1日

 ■フレックスタイム制の見直し

  • 清算期間の上限を1か月→3カ月に延長。

【施行時期】平成31年4月1日

 ■特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

  • 少なくとも1000万円以上の年収があり、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合、健康確保措置として年間104日の休日を確実に取得させることを義務化。本人の同意や委員会の決議等を要件として労働時間・休日・深夜の割増賃金等の規定を適用除外。
  • 在社時間等が一定時間を超える場合、事業主は当該従業員に医師による面接指導を義務付け。

【施行時期】平成31年4月1日

(2)勤務間インターバル制度の普及促進等(労働時間等設定改善法)

 ■勤務間インターバル制度の普及促進

  • 事業主は、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に努める。

【施行時期】平成31年4月1日

 ■労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進

  • 労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、企業単位での年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に変えることができる。

【施行時期】平成31年4月1日

(3)産業医・産業保健機能の強化(労働安全衛生法等)

※いずれも、産業医様の選任義務のある労働者数50人以上の事業場に対するもの。

 ■産業医機能の強化

  • 事業者は、産業医に対し必要な情報を提供しなければならない。

【施行時期】平成31年4月1日

 ■産業保健機能の強化

  • 事業者は、衛生委員会に対し、産業医が行った健康管理等に関する勧告の内容等を報告しなければならない。

【施行時期】平成31年4月1日

Ⅲ.雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保

※不合理な待遇差を解消するための規定の整備(パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法)

 ■短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)の一部改正

【法律名の変更】

  • 「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」に変更。

【目的】

  • 短時間・有期雇用労働者に関する正規雇用労働者との不合理な待遇の禁止。

【内容】

  • 個々の待遇ごとに性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化。

【施行時期】大企業 平成32年4月1日/中小企業 平成33年4月1日

 ■有期雇用労働者について

  • 正規雇用労働者と職務内容、配置の変更範囲が同一である場合の均等待遇の確保を義務化。ガイドラインの根拠規定を整備。

【施行時期】大企業 平成32年4月1日/中小企業 平成33年4月1日

 ■派遣労働者について

  • 派遣先の労働者との均等・均衡待遇、同種業務の一般の労働者の平均的な賃金と同等以上の賃金であること等を満たす労使協定による待遇のいずれかを確保することを義務化。ガイドラインの根拠規定を整備。

【施行時期】大企業 平成32年4月1日/中小企業 平成33年4月1日

 ■労働者に対する待遇に関する説明義務の強化

  • 短時間労働者・有期雇用労働者・派遣労働者について、正規雇用労働者との待遇差の内容・理由等に関する説明を義務化。

【施行時期】大企業 平成32年4月1日/中小企業 平成33年4月1日

 ■行政による履行確保措置及び裁判外紛争解決手続き(行政ADR)の整備

  • 不合理な待遇差を解消するための規定の整備や、労働者に対する待遇に関する説明義務の強化について、行政による履行確保措置及び行政ADRを整備。

【施行時期】大企業 平成32年4月1日/中小企業 平成33年4月1日

さいごに

従来より明らかになっていた働き方改革関連法案要綱から、「裁量労働制の拡大」部分が削除され、中小企業・小規模事業者様への配慮が強化、時間外労働の上限規制の施行時期が1年延期された形となっています。

それぞれについての詳しい内容は、厚生労働省HPで概要などが載っていますのでご参考ください。

(参考)

厚生労働省 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案

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